XR技術は常に革新的な発展を続けています。画像認識ベースの位置情報技術 VPS(Visual Positioning Service/System)、自動車の自動運転等で使用されるレーザー照射による位置計測技術 LiDAR(Light Detection and Ranging)等、正確に位置が取得できる技術が2020年頃から手軽に安価に使可能となりました。これらの技術の活用方法や活用シーンをご説明します。

■どのようなことが解決できるのか?

VPS 【ヴイ・ピー・エス】(Visual Positioning Service/System)
デバイスのカメラ映像と、予めスキャンした空間データを照合することににより、現実空間に対して仮想情報との位置合わせを行った上、さまざまなデジタル情報を重ね合わせることができます。
スマートフォンやMRデバイスを通してその部屋や景色を見るだけで、道案内の矢印、説明、様々な2Dや3DCGの配置物、バーチャルヒューマンなどを特別な操作を行わずして、現実空間に対して、本当に存在するかのように表示させることができます。楽しみを提供したり、仕事を便利にするだけでなく、コロナ禍においては「触れない」で情報を見たり、操作を行ったり、対話をすることも可能となります。

LiDAR【ライダー】(Light Detection and Ranging)
我々の身近なところでは、自動運転車が周囲に何があるか、少し先には障害物が無いか等を認識するためにLiDARが活用されています。Appleが提供している、iPhone/iPad搭載のLiDAR機能は、自動運転車の技術より計測距離が短かく5メートル程度と説明されています(2021年12月現在の機種)。LiDAR機能を使用することで、ほぼ瞬時に周辺との距離計測を行い、位置ズレの精度の大幅に向上します。通常は実行できなかった暗い場所でもARを使用することや、簡易AI機能搭載技術を使用した場合は壁・床・天井などを識別することもできます。
エンターテイメント分野はもちろん、精度が求められるエンターブライズ分野では、さまざまな計測作業や配置シミュレーションなどに活用ができます。

■活用シーン

屋内での活用

屋内では、小さな事務所やショウルーム、博物館や工場など広域のエリアで活用できます。

VPS

  • 屋内ナビゲーション
  • 屋内設置機器の操作マニュアル
  • 展示物や商品の説明ガイド、バーチャルヒューマン出現による説明
  • 家具や什器などの配置シミュレーション
  • 屋内空間活用ゲーム(宝探しなど)
  • 屋内空間へのメモ記録と共有(破損箇所の共有など)

LiDAR

  • 部屋や物のサイズ計測
  • 配置シミュレーション
  • 屋内空間活用ゲーム(空間を生かしたリアルゲームなど)

例えば、こんなシーンで活用できます

【学校・病院】
キャンパス案内、院内ガイド、教育教材

【ショッピングモール・店舗】
店舗案内、イベント活用、商品説明

【事務所・ショールーム】
事務所内案内、ショールーム展示物ガイド

【博物館・美術館】
施設内案内、展示物のガイド

【工場】
作業効率化のための工場内ナビゲーション、工場施設案内、

【倉庫】
作業効率化のためのナビゲーション、倉庫管理

屋外での活用

屋外では、使用する技術により、狭いエリアから、街中で広範囲で活用できます。

VPS

  • 屋外ナビゲーション
  • 建造物や店舗の説明ガイド、バーチャルヒューマン出現による説明
  • 屋外空間活用ゲーム(位置情報や特定の場所、リアルな建造物を生かす)
  • 屋外空間へのメモ記録と共有(情報や写真の共有など)

LiDAR

  • 建築現場等でのサイズ計測
  • 建造物等の配置シミュレーション
  • 屋外空間活用ゲーム(空間を生かしたリアルゲームなど)

例えば、こんなシーンで活用できます

【屋外案内】
街中の店舗、ビル、施設などの情報表示

【屋外展示物、各種情報表示】
屋外に設置されたさまざまな物への情報表示

【屋外・街中エンターテインメント】
屋外の地形、建物などポイントとしたゲームや観光案内など

■実現する技術

■VPSの技術

VPSの技術・方式、提供方法は各社で異なります。例えば、空間情報の計測方法、実装の難易度、認識精度もさまざまです。価格体系についても、初期費用がかかるものから、クラウド形式でサービス利用料がかかるものまで様々となっています。
案件の目的と費用対効果を比較検討し、それに合った適切な技術をご提案します。
何れの技術を使用する場合においても、開発基盤は殆どの場合Unityを使用します。

■LiDARの技術

LiDARの使用は、デバイス側の機能に依存するため、現在利用可能なデバイスはレーザ照射のためのセンサーが付属されているApple社の特的のデバイスのみとなります。開発ツールも、それに関係するため限定されます。LiDARのSDKは幾つかの企業からも提供されていますが、ここでは最も使用されている技術のみご紹介します。

Apple - ARKit

Unity - AR Foundation (内部的にはARKitを使用)

■対応デバイス

主にApple社のiPhone/iPad、Android Phone/Tablet、MRデバイスに対応しております。VPSは画像認識ベースの技術ですので、LiDAR対応機種よりも幅広く対応しています。常にカメラに映る画像を認識・解析し続けるため、対象アプリ起動中は常にGPU/CPUのパワーが必要となります。

iPhone / iPad
2021年12月現在、LiDAR対応機種はPro版の一部のみとなります

Android Phone / Tablet
2021年12月現在LiDAR対応機種は販売されていません

MRデバイス (HoloLens2等)
対応機種はハード仕様に依存します

■導入までの流れ

お問い合せ・ヒアリング・ご提案

・お問い合せ:Webのお問い合わせフォーム・メール・お電話にてお問い合わせください。弊社担当から折り返しメールまたはお電話にて直ぐにご連絡致します。ご提示の情報に機密性がある場合は、NDAの締結させていただきます。 ・ヒアリング:お客様のご要望をヒアリングさせていただきます。内容が明確になっていない状態でも、お気軽にご相談ください。お見積りにつきましても概算であれば短期間でのご提示が可能です。

契約の締結

・ご提案の内容について合意いただきましたら、弊社から正式見積りをご提示し、お客さまからは正式に注文書を発行いただきます。 ・このタイミングで、企業登録、基本契約の締結もお願いしております。

要件定義

ご発注後、プロジェクト担当がエンジニアと一緒に、案件の対応範囲、開発方針、実現イメージの共有、スケジュール、開発体制、案件の進め方などについて、お客さまとの打ち合わせの上で決定します。 ・要件定義の期間や回数は案件により異なります。小規模の場合は半月・数回、大規模の場合は、1-2ヶ月・10回等さまざまです。 ・開発では、納品物を明確にする場合と、研究・検証を目的する場合があります。

現場調査・技術選定

・一般的なシステム開発、画像認識のような対象物が明確なARとは異なり、実施予定の場所に対する事前検証、適切な技術の選定を予め行っておく必要があります。 ・本対応は、案件確定前にPoCとして小規模案件として実施する場合、要件定義時に実施する場合があります。ご相談の上で決定いたします。

システム全体・UI/UX設計

全体仕様や構成を決めるための基本設計と、各機能の仕様を決めるための機能設計の2つに工程が分かれます。案件の規模等で工程を短縮したり、ドキュメントを省略する場合があります。また、案件の内容等により実装前に設計レビューを実施します。 ・基本設計:システム全体の構成、UI/UX、システム間連携方法、データベース設計、画面構成などを設計します。案件内容によって対応内容は変化します。 ・機能設計:基本設計で整理された内容に基づいて、アプリケーションが実装を行うための設計を行います。

実装・テスト・空間データの取得作業(VPSの場合)

実装:設計内容に基づいて開発環境を構築後、アプリケーションの実装を行います。 (お客様に準備いただくサービスやコンテンツ素材がある場合は、このタイミングでご支給いただきます) ・テスト:実装後、アプリの機能単体で行う単体テスト、システム間連携を確認するための結合テストを実施し、お客様に受け入れテストをお願いしています。受け入れテストにおいて問題ないと判断いただきましたら、アプリ公開の準備を行います。 ・VPSを使用する場合は、実施する現場の空間データの収集と生成が全てとなります。また、現場でのテストとその後の調整が発生します。

公開・運用

・公開:一般公開する場合、その手続きをお客様が行われる場合と、当社が代行して対応させていただく場合の2通りがあります。Apple、Googleともに公開においては準備することと、手順が有り、更に審査まで行われますので、多くの場合は代行させていただくことが殆どです。公開を伴わない場合は、実行形式のアプリケーションファイルの納品までとなります。 ・運用:公開後、アプリによっては短期で終了するものも有りますが、多くの場合は一年以上ご利用いただくため運用が必要になります。ご相談の上必要に応じて年間または月額運用の締結をさせていただきます。

継続的なサポート

納品後、継続的なメンテナンスや機能アップのサポートを別途契約で対応させていただいております。特にOSやSDKなどのバージョンアップに関わる改修は継続運用では必ず発生します。新しい機種への対応、機能拡張、デザイン変更などさまざまなご要望にお応えします。継続的なサポートを希望される場合は、原則保守契約をお願いしております。

登録商標について
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※Apple、Apple ロゴ、ARKit、ARKitロゴ、Swift、Swiftロゴは米国および他の国々で登録された Apple Inc. の商標です。※iPad、iPhoneはApple inc.の登録商標です。※iPhone商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。※iOS商標は、米国Ciscoのライセンスに基づき使用されています※App Storeは、Apple Inc.のサービスマークです。
※Google 、Android 、ARCoce、ARCoreロゴ、Kotlin、Kotlinロゴ、Google Play は、Google Inc. の商標です。
※Windows、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
※Windowsの正式名称は、Microsoft Windows Operating Systemです。
※本中に掲載しているデバイス画像は、製品画像については各メーカーの製品サイト等より無断で転載しています。