2022年6月1日 チップセットメーカーのクアルコム社は、ウェアラブルXR開発向けの開発プラットフォーム「Snapdragon Spaces XR Developer Platform(Snapdragon Spaces SDK)」の提供を開始しました。
このプラットフォームはOpenXRを採用しているため、今後発売される同規格のさまざまなXRデバイスに対応可能です。

■Snapdragon Spaces が提供する技術

Snapdragon Spaces™ が提供する開発キットは、2022年10月現在でも進化を続けています。下記に紹介する内容については対応済・改善中の機能と、これから対応予定といわれる機能が含まれています。ナレッジワークスでは、この開発キットを使用したアプリケーション開発を行います。デモ開発からイベント活用、業務利用までお気軽にご相談ください。

位置追跡 (Positional Tracking)

空間のおかれている環境を正確にマッピングし、3D空間内の 6 つの自由度で ARグラスの位置、位置、向きを推定します。これにより、世界に対する利用者の位置を理解し、追跡することができます。ARコンテンツは、利用者の位置、頭の位置、方向に対して適切にシーンにレンダリングされ、ARコンテンツがまるで現実世界の一部であるかのように体験いただくことが可能です。

空間マッピング (Spatial Mapping and Meshing)

ARグラスは空間の奥行きを感知し、環境の物理的なジオメトリを 3Dで再構築できます。現実空間とデジタル空間を重ね合わせ、現実の物理的環境を生かしたAR体験が可能になります。

ローカル アンカーと持続性 (Local Anchors and Presistance)

位置追跡によって生成されたマップ上の特定の場所、位置、および方向に対してARコンテンツを配置後、ローカルに永続化することができます。

手や指の認識と追跡 (Hand Tracking)

利用者の手の認識、追跡、メッシュ化が可能になり、物理的なコントローラーを必要とせずに拡張世界とやり取りすることができます。この機能により自然で直感的、高速、かつ正確な操作や入力が可能になります。

平面検出 (Plane Detection)

物理環境における水平面、垂直面の認識が可能になります。この機能により、ARコンテンツを壁、床、テーブルなどの表面に配置し、固定することができます。

画像認識と追跡 (Image Recognition and Tracking)

ARコンテンツの起動をきっかけにするための、画像ターゲットの認識と追跡を可能にします。このコンテンツは、アプリ内または、Snapdragon Spaces Cloud でホストされている 1 つ以上のイメージ ターゲットに対して追跡することができます。

例えば、こんなシーンで活用できます

【学校・病院】
キャンパス案内、院内ガイド、教育教材

【ショッピングモール・店舗】
店舗案内、イベント活用、商品説明

【事務所・ショールーム】
事務所内案内、ショールーム展示物ガイド

【博物館・美術館】
施設内案内、展示物のガイド

【工場】
作業効率化のための工場内ナビゲーション、工場施設案内、

【倉庫】
作業効率化のためのナビゲーション、倉庫管理

屋外では、こんなシーンで活用できます

【屋外案内】
街中の店舗、ビル、施設などの情報表示

【屋外展示物、各種情報表示】
屋外に設置されたさまざまな物への情報表示

【屋外・街中エンターテインメント】
屋外の地形、建物などポイントとしたゲームや観光案内など

■対応するMRデバイス Lenovo Think Reality A3

ThinkReality A3は、CPUにQualcomm Snapdragon XR1を搭載し、片眼1080pの高解像度ディスプレイにトラッキング用のデュアルフィッシュアイ、8MPカメラを採用するARスマートグラス。6DoFに対応し、ルームサイズの空間トラッキングが可能。約130gの軽量かつ折りたたみ可能なコンパクトボディ設計により、持ち運びにも最適。Motorola製の専用Androidフォンを接続して使用します。